新井みりんによる神坂一作品の個人ファンサイト。

ちょこれぇと攻防戦

〜候補者その@〜

「……リナ、もうすぐバレンタインねっ! わたしは今年こそゼルガディスさんにっ……!」
 ぐぐぐいっと拳をにぎりしめて何やら燃えまくっているアメリアを横目に、あたしは疲れていた。
 忘れもしない……去年アメリアは姉ちゃん直伝チョコの作り方やラッピングのノウハウを教えたにも関わらず、転んで台なしにしてしまったのだ。
 ……まあ、中身が無事だったためゼルはしっかり食べていたが。この事実を知らないのは実はアメリアひとりだけだったりする。
「そーね……」
「なによ? ──あっ、わかったわ。ガウリイさんとゼロスさんのどっちに本命あげるか迷ってるのね!」
「──んなっ!? なっななななんであたしがっ!」
「照れてる照れてる」
 からかうアメリアを力いっぱい締め上げるのに夢中で、背後に近寄って来ていた気配に気付かなかった。
「なんの話をしてるんですか?」
「──うどわっ!」
 後ろからかけられた声に驚き、あたしは思わずイスから飛びのいた。
「──どっ、どうしたんですか!?」
 気配の主──ゼロスは声ほど驚いた様子もない風に言った。
「いきなり耳元でささやくなあっ」
 すぱあんっ
 あたしはふところに忍ばせていたスリッパでゼロスをはたいた。
「……そんなに照れなくたっていいじゃないですか……」
 ぐいっ
「──おおっゼロスさんいつになく大胆っ!」
 あたしは右手で顎を押さえられ、左手は腰のあたりにまわされるかたちでゼロスに引き寄せられていた。
「──ちょっ、離しなさいよゼロス!」
「はい♪」
 意外にもあっさりとあたしを解放したゼロスはそのまますたすたと帰っていった。
「…………なんだったの今のは……?」
「さあ? どうせゼロスさんだし」



〜候補者そのA〜

「──おーいリナー! 何やってんだあ?」
 今度はガウリイが大きく手を振りながらやってきた。
「あっガウリイさん! 今すごかったんですよ! ゼっ──むごまが」
「──あはははは、なんでもないのよー!」
 アメリアの口を塞ぎつつ、あたしはなぜか冷や汗を垂らしていた。
「──おいガウリイ、まだ終わってないぞ」
「ああっ! ゼルガディスさんっ!」
 あたしの手をいとも簡単に外すと、アメリアは今年もチョコレートをあげる予定の男の名を呼んだ。まるでお菓子を与えられた子供のように、目をきらきら輝かせている。
「──リナにアメリアか。悪いな、今忙しいんだ。行くぞガウリイ」
 そんなアメリアのようすに多少頬を赤らめつつ、ゼルは不機嫌そうにガウリイを引きずって行った。
 そういえば、最近ガウリイが手合わせの約束をずっとすっぽかしているとぼやいていた気がする。
 ……すっぽかしてるんじゃなくていつも忘れてるんじゃあ……?

「……リナ、やっぱりガウリイさんにチョコあげるの?」

「──うええっ!? あっ、あげないわよ! なんであたしが!」
「いい加減素直になりなさい」
「……ふ、ふんっ。余計なお世話ですよっ」



〜勝利の女神は誰に微笑む?〜

「──はいこれ」
 あたしは照れたふうもなくごく自然にチョコを渡すと、男は喜んだ。
「ありがとうなリナ」
 長髪を風になぶらせながら男は笑った。
「あったりまえじゃない! 姉ちゃん直伝のチョコなんだから、味もそこらのお菓子屋なんかには負けないわ」
 あたしがガッツポーズをつくると、男はあたしを優しく撫でた。
「……さすが俺の娘だな」
「うん、ちゃんと味わって食べてよ? 父ちゃん」


 めでたしめでたし?



「ちょっと待てオレのチョコはどうなったんだよ!」
「僕のチョコですよ!」



──あとがき──
ゼロスが居なくなったあと、めっちゃ冷淡なアメリアがこわい(w
これガウリイとゼロスの二人が、チョコをもらうためのアピールタイムを順番にしてた。という設定。
そうそう、リナの父ちゃんのキャラがFF8のラグナとモロ被りするのは自分だけ?


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いつかはやってみたい企画

仲良しメンバーで集まって、スレイヤーズカラオケやってみたい。
でもスレイヤーズ以外も歌いたいから結局アニソンカラオケ。